わおんのわんこの今

 蒸し暑い日が出てきましたね。梅雨入りはもう間近と感じます。

犬にとっても梅雨と夏は辛い季節です。

 

わおんのワンコ達は雨は全然嫌いじゃないのです。海や川、プールで泳いでいるので、体が濡れることは平気です。

こちらの犬専用温水プールはブラウもヴァイスも大好きです。

 

でもご覧のとおり、ブラウよりヴァイスの方が上手に泳いでいます。

ヴァイスは鉄砲で撃ち落とした鳥を、山や川から探し出し集めてくるために作り上げられた犬種ですので、泳ぐことはお手の物。

ブラウは陸で放牧されたトナカイを、山や小屋に誘導することがお仕事の犬。

 

ブラウが陸上部、ヴァイスが水泳部、みたいな感じです。

 

どちらにしろ、運動量は2頭とも多く、頭の良い犬種です(のはず!)。

 

 

さて、そのブラウ君ですが、15歳3か月になりました。

人間でいえば100歳は越えています。

次第に体力がなくなっていることは以前にもご報告しましたが、今回はもう少し厳しい状態です。

 

 

こんな姿で眠っている時間が長くなりました。

 

この写真は先週です。

このころはまだ食欲も旺盛で、立って歩けていました。

 

よろよろしながらも、呼べばこちらに来ようとしていました。

ところが・・・

 

この3日間でこんな姿になってしまいました。

 

目は開いているのですが、目力もなくトロンとしています。

この3日間、食事が出来なくなりました。

水も注射器で口に入れてやりますが、飲み込むことも出来なくなってきました。

 

それでも、私が呼ぶと目を大きく開こうとし、瞬きをして応えてくれます。

手を握られることが嫌いだったので、ぎゅっと握ると「やめて!」と言うように手を引っ込めます。

痛みや苦しみは全くなく、安らかな表情で眠っています。

 

しかしながら栄養が取れていないので、ブラウが持っているエネルギーを使い「今」を生きています。その溜めていたエネルギーを使い果たしたら、ブラウは旅立つと思います。

 

獣医さんは検査をして悪い所を治していくことも提案されましたが、私は15歳の高齢犬を薬で治療し延命することには賛成できませんでした。

獣医さんは私の気持ちをご理解くださり、今は水分補給を点滴で行い、熱が出ているので解熱剤や痛み止めを入れて頂いています。

痛みや苦しみだけを取り除き、ホスピス的に旅立たせてやりたいと思っています。

旅立ちがいつなのかはブラウのエネルギーと体力次第で、わかりません。

 

そんなブラウをヴァイスは見ています。

昨晩、ヴァイスはこんなことをしました。

夜中にヴァイスも眠らないで、3時間このままで過ごしました。

ブラウも起きています。意識はあります。

これをヴァイスは繰り返し、「お兄ちゃん、頑張れー!」と思ったのでしょうか?

寄り添っているつもりだったんだと思います。

 

その姿に私は涙が止まりませんでした。

いい兄弟に育ってくれたこと、ヴァイスが優しさを持っていてくれること、本当に美しい姿でした。

 

きっとブラウに届いていると思います。匂いや音で感じていると思います。

二人の間でどんな会話があったのか…心の声で話していたのでしょう…

 

 

そんな優しいヴァイスなのですが・・・

 

 

ちょっと心の病気になってしまいました。

 

 

ブラウに手がかかるので、ヴァイスの方にかける時間が減っており、ママの注意をひこうとしました。

 

あんなに食べることが好きだったのに…

・ご飯は食べません

・ママが手で食べさせたら食べます

・大好きなおやつは食べます

・しんどそうにします

・笑顔は出しません

 

ママに甘えたい一心で、かなり頑固にご飯拒否が続き、心配しました。

 

それで、ブラウは気になりますが、ヴァイスと旅行しようと考え、信州まで行きました。

♪鐘の鳴る丘 の歌の舞台となったとんがり帽子の時計台 を見てきました。

全てをヴァイスの為の時間として、思いっきり甘えさせてやり、美味しいものも食べました。

 

 

長野県穂高にある

「鐘の鳴る丘」

 

 

 

何度か移築されたと聞いています。

 

前庭もきれいに手入れされていて、ヴァイスはリードを外して散策していました。

まだ、ここでは怖い顔していますね。

 

 

 

このあたりから、

少しずつ笑顔も出てきました。

お家に帰ってくるころには、自分でご飯を食べだすようになり、以前のヴァイスが出てきていますが、まだ何かしら思っているようです。

 

もう少し時間をかけてヴァイスに関わって行こうと思います。

皆さんもお声掛け、よろしくお願いいたします。

 

この旅の最終日にブラウの様態が急変し、大急ぎで帰ってきました。

ブラウは私たちが返ってくるのを待っていてくれました。

 

スタッフ犬紹介

 

 

 

 

WEISS(ヴァイス)

英国ゴールデン

    レトリバー♂2013.2.9生まれ

様々なグループでセラピードッグの勉強をし、JKC訓練競技会ではトレーニングチャンピオンを獲得。

NPO法人日本アニマルセラピー協会のセラピー犬に認定。

認定NPO法人日本レスキュー協会セラピードッグチームの潜在性テスト・適性テストにも合格しています。

 

英国ゴールデンの持つ穏やかな性質とお茶目な気質を、セラピーの分野で発揮しています。

 

 

 

 

 

 BLAU(ブラウ)

ボーダーコリー

♂2009.3.15生まれ

六甲警察犬訓練所、宗平所長の指導の下、2歳からアジリティーを練習。JKC大会にオーナーハンドラーで出場し、数々の賞を戴いています。

人間と遊ぶことがとても楽しいと思っている子です。

 

2024年 6月15日

永眠 15歳3か月

「わおん」の皆さんに見守られながら、苦しみも痛みもなく、大往生を果たす。